君と本気のラブゲーム
屋上に出ると、「これを撮ってね!」の張り紙とともに、ネズミのぬいぐるみが机の上に無造作に置いてあった。
あの、世界で一番有名であろう黒いネズミ。
がらんとした広い屋上には、私たちの他には誰もいないようだった。
「これか」
京佑くんは、繋いでいるのとは反対の手で、机の上のネズミを持ち上げる。
「みたいだね」
「じゃ、撮るか」
京佑くんはネズミを机の上に戻すと、ポケットからケータイを取り出してパシャッと写真を撮った。