君と本気のラブゲーム

「彼女じゃない」


あっさりそう言った諒太郎に、周りにいた、関係ない男たちの視線までもが一斉に嘉乃に集まる。


あまりに露骨な視線に、嘉乃は一瞬たじろいだ。


「…え、マジで?」


ひとりが、そう訊き、諒太郎は頷いた。


「え、え。じゃあ、連絡先とか訊いてもいい感じ?」


諒太郎の彼女じゃない。


そう分かった瞬間、周りの男たちは一斉にポケットからケータイを取り出した。



「あ、諒、そんなことよりさ、うちの展示見てってよ。先輩のテーマ結構面白くてさ」


「テーマ?何だ?」


美少女に興味のないらしいひとりが諒太郎にそう声を掛け、あろうことか諒太郎はその男と話に夢中だ。


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