君と本気のラブゲーム


それから、テスト期間は飛ぶようにすぎていった。


勉強のために部活停止(私はもう引退してるけど)の1週間と、テスト実施の1週間。


気付いたらあっという間に終わっていて、いつのまにか11月に入っていた。


制服の上には厚手のカーディガン。



そろそろコートも出さなきゃダメかな、なんて考えるくらい、冬に近づいていた。



「アヤー。アヤは明日学校集合組だよね?」



帰り際、嘉乃がそう言って駆け寄ってきた。



「うん、そうだけど。嘉乃は、駅?」



鞄を肩にかけながら訊く。



「ううん、私も学校。駅行くより近いもん」


「あ、そうだよね。…ていうか、もしかして嘉乃今日も?」


「え?うん、だってこれから3日間会えないもん。今日会わなきゃ!」


「そっか。…じゃあ、先帰るね」


「うん!また明日ね!!」


「うん、じゃあね」



私は、ひらひらと手を振ってひとり教室を出た。





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