君と本気のラブゲーム

嘉乃は学祭以降、本当に毎日と言っていいほど諒兄に会いに行っていた。


バイト先だったり、家だったり。


今日はバイトのある日だから、おそらくバイトまでの時間に会う予定なのだろう。


こんなに誰かと一緒にいる諒兄は見たことが無かった。


でも、それを許してるってことは、多分、嘉乃は諒兄にとってちゃんと一緒にいて居心地のいい相手として認識されているのだろうと思う。



この前、嘉乃が諒兄の部屋に来ているとき。


お母さんに頼まれてジュースやらお菓子やらを運んで行ったら。



ふたりでゲームをしているのかと思ったら、なんと諒兄が嘉乃に勉強を教えていた。



土下座して頼まなきゃ私には勉強なんて教えてくれないくせに!!




しかも。


なんと、諒兄、笑っていた。



声に出して、とかじゃない。


笑って、というより、微笑んで、いた。



あの時の私の受けた衝撃と言ったら!


< 325 / 542 >

この作品をシェア

pagetop