君と本気のラブゲーム
……やっぱり、今日も忙しかった。
頬がひきつるかと思ったけど、頑張って笑顔を浮かべた。
でも、もうひとりの受付の子を見たら、お化け屋敷らしく、恨めしい顔で接客してて、なんだその手もあったか!と気付いた。
気付いた時には、もう13時になるところだった。
「岬、お疲れ。あと俺代わるから」
「樫野くん」
時間ぴったりに、昨日と同じ吸血鬼姿で樫野くんが現れた。
「うん、じゃあこれよろしく」
お客さんの入りを記入したノートを手渡して、そう言った。
「了解」
樫野くんが、パラパラと受け取ったノートを見ながら言う。
「すっげ、こんなに人来たんだ」
「うん。めっちゃ忙しいよ。頑張って」
「アヤ!」
聞き慣れた声に顔を上げると、休憩から戻ったらしい嘉乃が私のところに駆け寄ってくるところだった。
おそらく、これが最初で最後の、朝言っていた『1時間しかない』休憩だったのだろう。
欲しいもんは全部買っちゃえ、という執念の見てとれる手荷物の量だった。
「嘉乃」
おつかれ、と声をかけようとしたとき、ふと嘉乃の視線が私の背後に向いた。