切恋〜Tearheart〜
ガラッ。
教室のドアをあける。

何かまた言われるんだろうと
覚悟したが
何も言われなかった。

不思議なことに
机も綺麗に整頓されたまま。

なにか変。

振り替えると…

バッシャーン

『やっだーきったなーい』
『うわ、くっさーい』

下を見ると、トイレと書かれたバケツがおちてある。

…最悪。

『汚いからモップでキレイにしてあげる〜』

そういって
とりだしたのは
ほこりがいっぱいついた汚いモップ。

……汚い。

『やめてよ!』
バシッ
私はいつのまにか
手を出していた。

すると
『いったーい』そう言って泣き出した。

私は逃げ出した。
ただ走って走って
走り続けた。

たどり着いたのは
学校の屋上。

足を踏み出した。
その瞬間。

『馬鹿なことはやめて!』
美波が息をきらして叫んだ。

『私がいるから』
そういって
強く強く抱き締めてくれた。

ちゃんと居場所があるんだ…そう思った。

< 9 / 39 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop