羽をくれた君~side陸~【完】
「・・・オレ助けた覚えねーけど?」
続けてそっけなく返すと、困惑した表情を浮かべた。
おもしれー奴だな。
「あんた見てるとイライラする」
「す、すいません」
叱られた子供のように肩をすくめている。
こういう顔見るともっといじめたくなってくる。
俺ってSなのか?
奈緒の顔を両手で挟み込むと真赤な顔をして目を白黒させた。
・・・てかこいつ。よく見ると結構カワイーんじゃね?
暗くて大人しめな性格のせいなのか、今までは一度も可愛いなんて思ったことはなかった。
理香子と何かあったのか聞いてみても何もないと言う。
あいつがただ単にこいつを気に入らないだけなのか?
「んじゃ堂々としてろよ」