羽をくれた君~side陸~【完】
「はい・・・なんか陸さんって何でもあたしのことお見通しみたいですね」
お見通し?
おめーがわかりやすいんだろうが。
もう一度奈緒の顔をじっと見つめると、また茹でたこのように赤く染まっていく。
なんとなく感づいてはいたが・・・
こいつ俺に気があんのか?
「オレの事好きだろ?」
軽い気持ちで言ってみたのに、奈緒は真面目な顔をして頷いた。
そして俺をずっと憧れていたと言う。
憧れ?この俺に?こいつも他の女みてーに俺の外見や肩書きだけで簡単に好きとかいうんだな。
でもまぁ・・・こいつおもしれーし暇つぶしにでもなるか。
「じゃぁ、付き合う?」
そう言った時の奈緒の反応がまた面白かった。
口を開けて阿呆面している。
冗談なのか問われ、俺は冗談ではないと 応えた。