羽をくれた君~side陸~【完】


でも。


俺は誰も愛さない。本気にならない。


これだけは言っておかないとマジになられたらやっかいだ。


特にこういう重そうな女は。



「オレは誰にも本気にならない。」


「・・・え?」


「いや、なれねーんだ。それでもいい?」



俺の言葉に奈緒はわけがわからないといった顔つきをした。



「それってどういう・・・」


「まぁ、深い事は突っ込まないで今が楽しけりゃいいじゃん?」



今までの女も、俺の過去には一切触れてこなかった。


俺のように軽い気持ちで付き合ってたからなのか、それとも聞きたくても言葉にできなかったのか。


きっとこいつは後者だ。大人しい性格だし、俺に深入りしてこようなんて思わないだろう。


その方がめんどくさくなくていい。


< 26 / 80 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop