ラピスラズリの恋人
「俺も、いつか出会えるとイイんですけどね。貴島さんや弟のように、そんな風に想える人に……」


「出会えますよ、きっと」


自嘲気味に笑う織田さんは、視線を夜空へと遣った後で微笑んだ。


それから更に盛り上がったテーブルで、彼と他愛のない話をしていた。


相模や社員達も各々(オノオノ)で楽しんでいるようで、俺も心置き無く飲む事が出来た。


「今日は本当に楽しかったです。ありがとうございました」


「俺も楽しかったですよ。今度はぜひ日本でも飲みたいですね。もちろん、貴島さんの大切な方も一緒に」


悪戯な笑みの織田さんに苦笑しながらも頷き、挨拶と握手を交わしてホテルに戻った――…。


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