ラピスラズリの恋人
翌日も順調にスケジュールを消化していき、予定していた時間よりも随分と早くホテルに戻って来る事が出来た。


「明日は午後の飛行機ですから、午前中はゆっくりされたらいかがですか?専務、ここ最近はあまり眠っておられないようですし……」


「いや」


フッと笑って、心配そうな相模の声を遮った。


「さっき皆に言った通り、午前中は自由行動で構わない。俺達も空港で落ち合おう」


「ですが……」


「せっかくグアムまで来たんだ。俺の事なんか気にせず、少しくらい観光を楽しむとイイよ」


「では、お言葉に甘えて」


優秀過ぎる秘書にそう勧めると、程なくして笑顔が返って来た。


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