これからの季節に~新雪初めて踏むきもち~【完】
クリタは、今までサヤカに喋った事のある場所を案内した。
家の駐車場、よく猫があらわれるスポット、実際に野良猫に餌をやっている家(家の人と挨拶をしようとクリタは言ったが、サヤカは恥ずかしいと言ったので、外観を見るに留まった)、先生の家、激安の自販機、友達の家へ各所挨拶回り。これだけで一日が終わった。
クリタは、帰り道、夕日を浴びながら言った。
「いやあ、そういえば、サヤカに会うの、夢見たいだなあ」
「そうだね、私も。そう言われてみれば」
「今度は俺が東京に行くからね」
「うん。アレなんでしょ、自分のお金でなんでしょ」
「そうそうそう」
こうして、二人はクリタの家に戻った。
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