これからの季節に~新雪初めて踏むきもち~【完】
客間でサヤカは言った。
「こうしてクリタと鏡を見ないで話すの、初めて!」
「そうだね、そうだね!」
鏡の事は、一応二人の間の秘密だった。
サヤカは言った。
「会えて良かった!嬉しいよ、ホント」
「いやーあ、俺もサヤカにまさか会えるとは。御両親に感謝だな。今度、サヤカみたいに電話するよ。電話していい?」
「うん、家電の番号教えるね」
「ええー!?ちょっと待って携帯携帯!どこ行った!」
「うっわ!あたしも探す!何色だったっけ!?」
「茶!」
「え?茶色!?ブラウンね、えーと」
二人の初めて会った一日目の夜は更けていったのだった…。
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