ただひとつ。Side Story
綺麗にまとめあげられた髪…


藍色の大人っぽい浴衣…




どれをとっても加藤らしさは感じられず…、


制服姿で隣りに並ぶのは…


なんだか申し訳なくて、気がひけた。





俺は彼女を直視することができなくて…、



結局、斜め一歩前を歩くことにした。





「…和志、どこまで行くの?出店ほとんどあっちだけど…。」


「…あ?なに?」



人混みに掻き消されて、加藤の声は届かない。




「そっちじゃないよ!」


「…何で?」


一度立ちどまり、彼女の言わんとしていることを確認する。




「…出店はほとんどあっちだし…、そっち行ったら花火が遠くなるよ。」


「…そりゃそうかもだけど…、お前はアレか?『花より団子』っ。」


「…失礼だなあ…。」





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