ただひとつ。Side Story
「…花火が綺麗に見える場所知ってるんだ。去年もそこで見たんだけどさ。」


「………。誰と来たの?」


「え?ああ…健と。」


「…ふ~ん。」


「……。ちなみに聞くけど、ヤキモチか?」


「ううん。」


「…例えばそれが女だったら?」


「でも、健と一緒だったんでしょ?」


「…そりゃそうだけど…。」


「和志は嘘は言わない。だから…、安心しただけ。」


「…?ふーん。」


「…で、行くの?その場所に。」


「お前がよければ。」


「…行く。」


「うん。じゃあせっかくだし何か買って行くか?」


「…うん!」




加藤はにっこり笑って見せると……



次の瞬間、俺の手をギュッと握ってきた。


突然のことに……


俺は驚きのあまり、反射的にそれを離した。




「……なに、びっくりすんじゃん。」


「いーじゃん、手ェくらい握っても。減るもんじゃないし。」




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