ただひとつ。Side Story
「ごっそり小遣い持ってってすっからかんになるんだから、さすがにあんなこわ面のおっちゃんでもかわいそうになったんだな。」


「…どんだけ夢中だったんだ。」


「…さあ?でも、取れないのが悔しかっただけじゃねーかなあ。だって金魚が欲しかったわけじゃないから…。」




「………。」


「幼なじみの女が妙上手くてさ。そいつに勝ちたかったのがきっかけかもな。」


「………。」




…あれ?


そんな理由?





こいつが花火大会に来ていることも、金魚すくいをしていることも、こんな風に話をすることも…



俺にとっては不思議なことで…、


日常に、非日常が混じっているような感覚だ。



けど…



意外と、そうじゃないのかな。




青山は、何か特別なことをしているなんて… 微塵にも感じてないだろう。




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