ただひとつ。Side Story
「ドンマイっ!」


ケラケラと笑う楓。



こいつ…マジでいい奴だ。




振られたあの時はちょっとムカついたけど……



こいつはただただ正直で、感じたままを言う女なんだ。



見た目や噂だけで人を判断しちゃいけないな。





「これさ、コツあんだよ。」




黙って様子を見ていた青山が、不意に口を開いた。



…自分が優位に立っている余裕?


それとも…


嫌味?




「…こうやって全部水の中にいれてから……こうっ。」


青山は軽々とまた一匹をとってみせた。


「………。」


なに教えられてんだ、俺。




「難しいよな、実際。俺小学生の頃めっちゃ練習したもん。」


「……。マジで?」


「おう。あまりにもしつこく挑戦してたら、テキ屋のおっちゃんが呆れて教えてくれた。」


「……へぇ…。」



『テキ屋のおっちゃん』って…。



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