ただひとつ。Side Story
教室が……



一気に静まり返った。



「…よいしょっと…。」



俺は自分で蹴飛ばした机を、ゆっくりと起こした。




「…和志。どこ行くの?」



加藤の心配そうな声が、背後から届いた。



「…便所。」



俺は一切彼女の顔を見ることなく……



早足で、教室を後にした。





…よくわかんねーけど、何でみんな…アイツがさも犯人であるかのように話してるんだ?



誰も、否定してやんねーのかよ。



加藤だってそうだ。


悪いけど、心底見損なった。





「…………。」



そうだ…。



楓は?



あいつなら、味方してやるんじゃねーか?



そういや…さっき、教室にはいなかったな…。




…俺はパタパタと音をたてながら…



いつの間にか、廊下を走り出していた。





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