涙ペットボトル



「どこにいるんだろう?」


校舎内を探し回るが、奏太さんは見つからない。



帰ったのかな?



「あっ!」



考えるよりもさきに声がでた。




「奏太さんっ!」


あたしがそう呼ぶと奏太は振り返り

笑顔になった。


「水城ちゃん。どーした?」



駆け寄るが、走り回ったので

体力がない。


息切れもしていた。


「すい…ません。はぁ。はぁ」


「とりあえず落ち着こう」

と言い、奏太さんは教室の近くにあった
椅子に座らされた。



「で?何かな?」


息も整った!よしっ!


あたしは、はっきり言った。


「すみません。あたし奏太さんとは、
そういう関係にはなれません」


沈黙が続いた。



「あたし、奏太さんのこと嫌いじゃないです。だけど、、、だけど、」



あたしが想っているのは──…………。



「どうしても優太くんが好きなんです」



自分でもありえないくらいはっきり

言った純粋な言葉。





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