涙ペットボトル
すると─………。
「じゃあさ。オレのお願い聞いてくれる?」
「はい!なんでも聞きます!」
「んー?じゃあ──…………」
「なんでも聞きます!
だから─────────……ん…」
何が起こった?
何があった?
今何をしている?
『だからお付き合いできません』と言おうとしたら
生暖かいものが唇に当たった。
何かわからないのに、あたしは奏太さんを押した。
「ヤダっ!!」
ガターン──…………!!
あたしの椅子が倒れた。
今気づいた。
今知った。
奏太さんにキスされたんだ──………。
ドクン。ドクン。ドクン。
どうしょう
どうしょう
どうしょう
あたしは唇を強くこすった。
「そんなに嫌がられるとは思ってなかったなぁ」
ニコッと苦笑いする奏太さん。
それが、妙にイラッときた。
あたしは、教室を飛び出したんだ……。