涙ペットボトル




________。


「はい。どうぞ」


もう夕方で冬だから真っ暗に
なりかけていた。


あたしとかのんちゃんは、
公園のベンチにすわって自動販売機で
買ったコーンスープを飲んでいた。


「ありがとう。あたし、コーンスープ
大好き………」


「そーなの?おしるこ派っぽいな。
よかったよかった」


「でも、コーンスープって、
最後にコーンが残ってしまうのがいや」


「ははっ、なんだそれ笑」


会話が途切れた。


沈黙が続く。


「で、病院の近くにいたってことは、

…………優太くんに会いに行ったの?」



「うん。正直、あの日から
寝込んで、あまり食べなくて、かのんちゃんの言葉も知らんぷりして……

本当は、わかっていた。

前に進むしかないって。

だけど、進むことが憂鬱で、
もういいや、もういいやって、言い聞かせたけど…………」



「………けど?」



「…やっぱり、あきらめきれないや。



多分、ずっと好きなんだとおもう」



「…………」


「だから、優太くんに言ってきた。

友達からよろしくって……」


「彼女だよ…って言わなかったの?」



「うん。だって今の優太くんは、

あたしの知ってる優太くんじゃない。


だから、今いる岡田くんに

今いるあたしを初めから知ってほしいんだ」


「………あかり…」


まっすぐ前を見る。


「泣かない。辛いからって、

もう泣かない。


ちゃんと向き合う。岡田くんと。


もう一度…いや、何度だって恋をする」


もう決めた。

前を向く。

泣かない。


「そっか、でも、辛いときは

あたしを呼んでよ?てか、

あたしが、気づいてあげる!」


「ありがとう」


「頑張れ。


頑張れあかり」


いつも、支えて正しい方向へ
導いてくれるかのんちゃん。


あたしも、かのんちゃんが苦しいとき

支えたい。



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