Special Edition
自宅がある自社ビルの地下駐車場へ。
何事も無いかのように車を滑り込ませ、
いつもと変わらぬ“プライベート駐車場”へ
ゆっくりと愛車を留めた。
「……要?」
不思議そうに俺に視線を向ける杏花。
そんな彼女に、
「降りないのか?」
「へ?」
「歩いて行くけど」
「えっ?そうなの?!」
驚愕の表情の杏花。
……無理も無い。
今まで歩いて食事に行ったことなんて無いのだから。
「ん、だからとりあえず、降りようか」
「……うん」
彼女は戸惑いながらも車から降りて……。
俺は彼女の肩を抱き寄せ、歩き出した。
一旦、オフィス内を通り
通用口から地上へと出ると、
オフィス街の窓が夕日に照らされ、
美しい黄昏色に染まっていた。
「要?どこに向かってるの?」
「ん?……極上の店……かな?」
俺は不敵な笑みを浮かべ、
より一層彼女の肩を抱き寄せ、
ゆっくりとオフィス街を歩み進めた。