Special Edition
どうしても腑に落ちない俺は、意を決して口を開く。
こんなモヤモヤの気分のまま寝れる訳がない。
だから、この際、きちんと気持ちを確かめ合うのが1番だ。
「杏花」
「………ん?」
「俺の他に………好きな男が出来たのか?」
「………はっ?!」
杏花はガバッと勢いよく顔を上げ、
俺の瞳を真っ直ぐに見つめて来た。
「何の……話?」
「それは俺の台詞だ」
「…………へ?」
2人して見つめ合うが、その先が出て来ない。
何をどう説明したらいいのか、お互いに気を遣っている。
「あのさ」
「………うん」
俺は、彼女の気持ちを確かめると覚悟を決めた。
「さっき、ゲストルームで本田と話してるのを……少し聞いちゃったんだ」
「えっ?!」
「本田の口振りだと、『そういう相手がいるなら仕方ない』んだろ?」
「…………それは………そうだけど、………ん??」
杏花は会話を思い出している様子。
小首を傾げて思考を巡らせ始めた。
そして―――――、