Special Edition
実家のエントランスに車を横付けし、使用人に鍵を手渡す。
「給油しておいてくれ」
「承知致しました」
俺は希和を連れ、使用人の後を追う。
通されたのは中庭の温室。
真冬なのに色とりどりの花が咲き誇っている。
「いらっしゃい」
「こんにちは」
母親の言葉に笑顔を見せる希和。
手招きに吸い寄せられるようにガーデンファニチャーに腰を下ろす。
俺は彼女の横に不機嫌オーラ全開で腰掛けた。
すると、
「相変わらずね、京夜」
「手土産って、どれ?」
俺は母親の言葉を無視して尋ねると、
母親は俺の少し横に手をかざした。
…………ん? はっ?!
母親の手の先には、俺の顔をじっと見つめる彼女がいる。
手土産って………もしかして、彼女の事?!
「冗談はやめてくれ」
「冗談じゃないわよ?」
「…………意味が解らない」
俺は聞かなかったふりをして、
使用人が注いでくれた珈琲を口にした。
すると、