Special Edition
イマイチ会話が呑み込めていない彼女。
しかも、母親も勘違いしてるし。
あぁ、凄く面倒な展開だな、これ。
俺は呆れ顔で2人を眺めていると……。
「希和さん」
「はい」
「京夜の身の回りのお世話をするだけでいいのよ?身を挺して守ろうとしなくていいんだからね?」
「…………はぁ」
「京夜の隣りに立って、ニコッと微笑んでるだけでいいのよ?……解るわね?」
「………はい」
彼女は返事をしたものの、やはり納得してない様子。
だから、仕方なく俺は………。
「希和」
「はい」
「腕を俺の腕に絡ませて隣りに立ってるだけでいい」
「えっ?」
「まぁ、出来れば、愛想よく微笑んでくれれば申し分ない」
「………はぁ」
歯切れの悪い言葉が返ってくるから……。
俺は腰を上げ、ジャケットを羽織り、彼女の隣りに。
そして、彼女の腕をスッと絡ませ。
「じゃあ、行って来る」
「ん、行ってらっしゃい。桐島さんに宜しくお伝えしてね」
「了解」
「…………行って参ります////」
頬に手を当て俯く彼女をリードし、その場を後にした。