Special Edition
会場は都内の有名ホテル。
何度か足を運んだ事もあり、場所はよく知っている。
俺は助手席に彼女を乗せ、ホテルへと向かった。
「あの、京夜様」
「ん?」
「何故、この車なのですか?」
「あ?文句があるのか?」
「あっ、いえ、文句では無いのですが、仕事用の車で良かったのか気になって」
「俺の愛車は、専門の整備スタッフ以外は運転させたくない」
「………なるほど~、そうだったのですかぁ」
俺の言葉に素直に納得した彼女。
仕事用と言っても、この車だって結構するんだが。
まぁ、そんな事はどうでもいい。
俺は、会場内でのメディア対応をどうしようか悩んでいた。
ホテルのエントランスに到着すると、
すぐさまドアマンが近づいて来た。
俺は運転席から降りて助手席へ回ると、
すでにドアマンが助手席のドアを開けており、
俺は彼女が降りやすいように手を差し伸べる。
すると、彼女は柔らかい笑みを浮かべながらゆっくりと降りた。
―――――が、その時!!