Special Edition


会場は都内の有名ホテル。

何度か足を運んだ事もあり、場所はよく知っている。


俺は助手席に彼女を乗せ、ホテルへと向かった。


「あの、京夜様」

「ん?」

「何故、この車なのですか?」

「あ?文句があるのか?」

「あっ、いえ、文句では無いのですが、仕事用の車で良かったのか気になって」

「俺の愛車は、専門の整備スタッフ以外は運転させたくない」

「………なるほど~、そうだったのですかぁ」


俺の言葉に素直に納得した彼女。

仕事用と言っても、この車だって結構するんだが。

まぁ、そんな事はどうでもいい。

俺は、会場内でのメディア対応をどうしようか悩んでいた。




ホテルのエントランスに到着すると、

すぐさまドアマンが近づいて来た。


俺は運転席から降りて助手席へ回ると、

すでにドアマンが助手席のドアを開けており、

俺は彼女が降りやすいように手を差し伸べる。


すると、彼女は柔らかい笑みを浮かべながらゆっくりと降りた。


―――――が、その時!!


< 263 / 477 >

この作品をシェア

pagetop