Special Edition
30代と思われるドアマンの視線が気に食わない!!
クラッチバックを片手に、
もう片方の手を俺の手に添えた彼女。
クラッチバックで足元を隠したとはいえ、
殆ど完全無防備な状態だ!!
短すぎるスカートの裾から露わになる太腿。
今にも大事な部分が見えそうなくらいの短さだ。
10㎝近くもあるヒールを履き、
ウエスト部分も絞られているドレス姿の彼女は
ドアマンの視線を気にする余裕などある筈も無い。
俺はドアマンの前に立ちはだかるように1歩前に出て、
…………彼女の腰を抱き寄せた。
「歩けるか?」
「はい、大丈夫です」
「行くぞ」
「はい」
俺の腕に腕を絡ませ、俺の顔を見上げる希和。
今から向かう先には、
ドアマンよりも恐ろしい眼が待ち受けているとも知らず。
俺はゆっくりと歩幅を揃えて歩き始めた。
会場である大広間には既に多くの招待客と
予想通りのメディアが集結していた。
会場に数歩入った所であっという間にカメラに取り囲まれた。