Special Edition


本気で嫉妬した訳じゃ無い。

だけど、いい気がしないのは事実だし。

ちょっと苛ついた感情を彼女にぶつけてしまった。

すると、


「さっき、あのお2人が熱い眼差しで見つめ合ってたんですよ」

「…………で?」

「今にもキスしそうなくらい顔を近づけたと思ったら、奥さんの方は身じろぎ始めて……」

「…………はぁ」

「再び、顔が近づいたと思ったら、何やら奥さんの耳元に話しかけてて……」

「それのどこが面白いんだ?」

「もう!!解って無いですね、京夜様は。面白いとかでなく、2人が仲睦まじく愛し合ってる様子が窺えて羨ましいんです!!」

「羨ましい?」

「はぁ~い、羨ましいです。奥さんが愛されてるって、傍から見てて解るくらいですもの」

「はぁ………、そういうもんなのか……?」

「あぁ、もういいです。京夜様には求めたりしませんから、お気になさらず」

「それ、どういう意味?」

「愛されてなくても平気です。私が愛しますから!!」

「ッ?!/////」


最近、ますます男っぷりを発揮する彼女。

俺がアクションを起こさないからってのもあるが、

元々彼女は体育会系で、すぐ行動に移すタイプだ。


フットワークが重い俺とは正反対。

だからなのか、急かされている気がして少し焦る。


………どうしたものか。


< 269 / 477 >

この作品をシェア

pagetop