Special Edition
本気で嫉妬した訳じゃ無い。
だけど、いい気がしないのは事実だし。
ちょっと苛ついた感情を彼女にぶつけてしまった。
すると、
「さっき、あのお2人が熱い眼差しで見つめ合ってたんですよ」
「…………で?」
「今にもキスしそうなくらい顔を近づけたと思ったら、奥さんの方は身じろぎ始めて……」
「…………はぁ」
「再び、顔が近づいたと思ったら、何やら奥さんの耳元に話しかけてて……」
「それのどこが面白いんだ?」
「もう!!解って無いですね、京夜様は。面白いとかでなく、2人が仲睦まじく愛し合ってる様子が窺えて羨ましいんです!!」
「羨ましい?」
「はぁ~い、羨ましいです。奥さんが愛されてるって、傍から見てて解るくらいですもの」
「はぁ………、そういうもんなのか……?」
「あぁ、もういいです。京夜様には求めたりしませんから、お気になさらず」
「それ、どういう意味?」
「愛されてなくても平気です。私が愛しますから!!」
「ッ?!/////」
最近、ますます男っぷりを発揮する彼女。
俺がアクションを起こさないからってのもあるが、
元々彼女は体育会系で、すぐ行動に移すタイプだ。
フットワークが重い俺とは正反対。
だからなのか、急かされている気がして少し焦る。
………どうしたものか。