愛するが故に・・・
『えっ…なんでその名前…私、一度も話したことないけど…』


「まあな。悪いけど、すべて知ってるよ。おやじさんに言われてるから…
 理香ちゃんのことは・・・
 その辺のチンピラだったら、今頃容赦してないと思うけど、
 高山ならまあいいだろうって。
 おやじさんは心配なんだよ。
 今まで離れて暮らしてきて、理香ちゃんになんかあったらって考えたら…
 高山はここ数年でかなり腕をあげてきている。
 おやじさんもそれは認めている。
 自分の系列の組の人間なんか気にしてねえけど、高山んとこは気にかけてる。 それは理香ちゃんがいるから…
 高山はおやじさんのこと知ってんのか?」



『まさか…何も言ってない。和真さんも私の事はいろいろ調べたみたいだけど、さすがにお父さんの事までは分からなかったみたい…』



「まあそうだろうな。おやじさんと理香ちゃんの事を知ってるのは、
 直近の幹部連中くらいだけだ。
 理香ちゃんが大切なんだろうよ。
 理香ちゃんのお母さんの事、命より大切にしてたから…
 だからこそ、彼女の意思を尊重したんだ。
 俺は近くで見てきたから、おやじさんがどれくらい大切にしてきたかを
 よくわかってる。」


ここでも、父親が母を本当に愛していたんだと思った。
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