愛するが故に・・・
「理香…お前は俺のもんだ。」


そんなこと言われて、さすがの私でもはいそうですか…とはいえない。


『私は、和真さんのたくさんいる女性の一人になんてなりたくない。』


何も考えずに出た言葉はそれだった。

きっと和真さんは呆れてんだろうな…私なんかが偉そうにって。

でも、和真さんから出た言葉は私の考えに反することだった。


「俺の女は理香だけだ。
 理香といるようになって全部の女とは手を切った」


『えっ??』


「何度も言わせんな。俺の女はお前だ。
それに、この部屋に連れてきたのはお前だけだ。理香」


和真さんは呆れたような言い方だけど、しっかりと私を見て言っている。

私からしたら、嘘を言っているようには見えないけど…

でも、私自身が女性と腕を組んで歩いているのを見ているんだから言い逃れはできないでしょ。


『でも…昨日、和真さんとその…女の人が腕を組んで歩いていのを見たんだから…
 それでも、私だけだって言うの?』
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