理由なんてない
1ページ目には、そう書かれていた。
これは……。
男の子って言うのは、真のこと?
これを書いたのはお母さん?
でも、おかしいよ。
私の前にいる真は、私と同じ高1。
でもお母さんが高1のときも、真は高1?
真は成長していないってこと?
そんなことって……。
現実的に考えて、ありえない。
でも私の目の前にいる真が、高1なのは確かだ。
お母さんは、どうして……私にこんな得体のしれない、生き物と一緒に暮らせと言ったの?
「瑠璃子?」
玄関のほうで声がした。
私は肩を震わせながら、心なのなかで誓った。
お母さんとの約束は、なるべく護りたいと思う。
でも。
これは私の人生だ。
全ての謎が解けてから、お母さんの約束を守るかどうかは、決める。
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