シュプレヒコール!
『……、なんでも知ってるんですね。
シズルのこと』
心が騒ついてモヤモヤする。
あまり気分がいいものではない。
俺よりもアデルの方が彼女を知っている。
当たり前なのに、さっき初めて会ったばかりなんだから。
「……、ぶっ」
『!』
「俺に嫉妬するとか、ちょーウケる。
ふふっ、そんな余裕の微塵もないチトセに俺からプレゼントフォーユー♪」
『なんですか?』
「俺とシズルの関係についてー」
『ッ!!』
この人、俺をからかってるのか?
軽く殺意が芽生えた。
「怖いなぁ」
『早く言え』
「俺の姪だ」
『え?』
「俺の姉貴の娘」
途端に恥ずかしさと後悔が押し寄せてきて、俺はその場で崩れ落ちた。
なんだそれやばい、彼女の叔父に嫉妬するとか有り得ないだろ。
「あ、落ち込んだ?」
いいもん見せてもらったと浮かれるアデルを無視してその場を離れた。
ち、ちょっと外の空気を吸ってこよう…
そうして、3人の捜査は幕を開ける。