シュプレヒコール!
ココのこと
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「……、チトセ」
夜明け前、濃紺の闇の中。
ポツリとつぶやく声が侘しく己が心に残って水面に堕ちる。
鉄格子の先の僅かに見える星の数を数えて白く輝く月の影線を辿ると、友の面影が見える気がした。
気づいてくれるだろうか。
あの手紙の意味を。
助けて、くれるだろうか。
手を伸ばしてもアイツは応えてくれないかもしれない。
でもアイツだからこそ見つけられる印をつけておいたから、わからないことはないだろう。
俺の運命を、アイツに託す。
拳を握って決意を表し
彼は表に戻れるように
友に助けを求めた。
残された選択はただ一つ。