お願い…先生。
数学の勉強も
終わって二人は
学校を出た。

茉莉は
今度の日曜日の事で
すっかり浮かれていた。

その時。

『あら、先生。』

―山本先生だった。

『あぁ。山本先生。
帰りですか?』

『うん。先生がいたから走ってきたけど…
滝沢さんもいたなんてね。』

冷ややかな視線が
茉莉にとぶ。

『あ…。こんにちは』

『………』
山本先生は
無視をしてこう続けた。

『それより先生。
知ってます??』
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