もっと美味しい時間
クリームチーズは粗挽きのブラックペッパーを適量入れて、よく混ぜておく。
具材の用意ができたらロールパンに切れ目を入れて、トースターで軽く焼く。
表面に薄っすら焼き色が付いてパリっとしてきたら取り出し少しあら熱をとると、切り目を開き薄くバターを塗った。
「慶太郎さん、お湯沸かして」
「了解」と言うと、ソファーから立ち上がりキッチンへとやってきた。
顔を見てにっこり笑い合うと、心がほっこり温かくなる。
「私、紅茶」
分かったというように何度か頷くと、棚からポットと茶葉を持ってダイニングへと移動した。
慶太郎さんが紅茶を淹れだすのを見て、ロールパンサンドの仕上げにかかる。
バターを塗った切れ目にレタス、スモークサーモンを挟むと、その間にクリームチーズをたっぷりと乗せる。これにイタリアンドレッシングを数滴垂らすと、一つ目“スモークサーモンとクリームチーズサンド”の出来上がり。
もう一つには、レタスにキュウリ、クルッと丸めたロースハムを順に挟み、マスタードマヨネーズを絞ったシンプルなロールパンサンドを作った。
それらをお皿に乗せダイニングに運ぼうとすると、玄関のチャイムが鳴った。
「まだ8時台に誰だよ……」
慶太郎さんが面倒臭そうに立つと、インターホンへ近づいた。
「やっぱりな……」
それだけ言うと、玄関に向かう。
誰が来たっていうのだろう。慶太郎さんは分かってたみたいだけど……。