もっと美味しい時間
『これ私の連絡先。京介さんに渡しておいて』
大阪に向う新幹線の中で、美和先輩から渡された封筒を見つめていた。
先輩には似つかわない、可愛い小花の封筒。
人の恋路を邪魔するつもりはないけれど、何で京介なんだか……。
慶太郎さんの大親友だし良い人だよ。よく気がつくと言うか、それなりに優しいと言うか。
でもね、裏の顔も持ってるわけよ。口は悪いし、態度も悪くなる。
あっでも、美和先輩も似たとこあるかもっ!?
と言うことは、あの二人は似たもの同士?
案外、お似合いだとか?
頭の中で、二人を横に並べてみる。
美男美女の素敵なカップル、出来上がり~!
私と慶太郎さんなんて、及びもつかないほどの完成度だ。
まぁ単に、私がちんちくりんなだけなんだけど……。
自分で自分に失笑しながら窓の外を見ると、大阪の街が見えてきた。
この前の日曜日に別れたばかりなのに、もう逢いたくて仕方がない。
棚から荷物を下ろし、新幹線から降りる準備をする。
もう何回か大阪には来ているけれど、仕事のタイミングが合わなくて、いつも一人でマンションまで行っていた。
でも今日は、改札まで慶太郎さんが迎えに来てくれることになっている。
「嬉しい……」
思わず漏れてしまった声にフッと微笑むと、荷物を持ち座席を立った。