もっと美味しい時間
「ところで司さん。この人って、どこが悪いの?」
って、おいおい明日香さん。
まるで「頭?」とでも言いたそうなその顔。癪に障るんだけどっ!
でもその横で「う~ん……」と何かを考えこみ、私の顔を見ては言い淀む曽我部先生の様子を見て、身体中に不安な気持ちが広がっていく。
「先生? 私ってもしかして……」
「えっ? あ、あぁ、うん……。僕は内科の糖尿専門医で、君の担当医じゃないからね。だから、今言っていいもんだか……」
どうも不安が的中したみたい。
だって大したことなかったら、そんな深刻な顔して迷ったりすること無いもんね。
きっと命にかかわる病気で、病状も芳しくないんだ。
「兎に角しばらく入院だと思うから、今は余計なことは考えないで身体をゆっくり休めることだけを考えて」
ニッコリ笑って私に近づくと、ぽんぽんっと頭を撫でた。
もう本当、慶太郎さんの知り合いは、どいつもこいつも私を子供扱いするから頭にくる。
起こしていた身体をボスっとベッドに倒し、掛け布団を引っ張りあげて頭まですっぽりと被せた。
先生の苦笑と明日香さんの呆れたような溜め息が聞こえ、増々自分が情けなくなってくる。
「じゃあ僕はこのへんで。また後で顔を出すよ」
「私も一度、仕事に戻るわね」
そして病室に一人になると、ゆっくりと布団から顔を出した。