HELIOLITEー君と輝く音ー



ざわざわと何か話しているようだけど、それは私の耳には届かない。


ただ、俯くだけ。


その時、肩を叩かれた。


「かなで、明日この五人で行くことになったから」



晴香ちゃんの声、言葉。


その言葉を理解するのに、少し時間がかかった。



「う、えっ!?」



ばっと顔を上げる。



「よろしくー!」


「う、っあ!え、ええ!?」



想像以上に鈴木くんの顔が近い所にあったのと、晴香ちゃんの言葉に驚く。


満面の笑みを浮かべる鈴木くんの顔がベリっと剥がされる。


彼の頭にある手の持ち主は速水くんで。



「楽しみだねー!」



晴香ちゃんが声を上げる。


私の意見は聞いては、くれないみたいですね…


分かりました。



私も覚悟を決めます。


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