HELIOLITEー君と輝く音ー
さあ、今このとき…
彼女の歌声が防音の狭い部屋に響き渡った。
「この声…」
「マジで…っ?!」
望と拓弥が声を漏らす。
マイク越しに響いてくるその声は俺たちの心を強いぐらいに惹きつけた。
岡本の歌声に一緒に歌っていたはずの武内がいつの間にかマイクを離していた。
自分一人で歌っている事に気付いていない岡本は音に合わせて声を重ねる。
すっかり自分の世界に入り込んでいる様子。