HELIOLITEー君と輝く音ー
屋上に来てみると、運が良い事に誰も居なかった。
その事に少し安心する。
放課後だから、好き好んで屋上に来る人とか居る訳ないか。
部活に出たり、家に帰ったり、バイトに行ったりするよね。
顔を上げ空を見上げると薄い水色が一面に広がっていた。
とても、綺麗な心安らぐ色。
前に来たのが、一年生の秋頃だった筈だから、屋上に来たのは約一年半振りになるのかな。
そう思うと、ずっと来ていなかったのだと気づく。
運動場では部活に励む人が沢山居る。
沢山の声が重なり合う。
「心地好いですね…」
風がスカートと髪を攫う。