HELIOLITEー君と輝く音ー
目を瞑れば、音と振動しか伝わってこない。
そうしていると、いつの間にか押し寄せていた音の波が消えるよう収まった。
「ふう…」
と望ちゃんが一つ息を吐く。
繊細な楽器が多い部屋は冷房が効いているとはいえ、演奏すると暑いのだろう。
額に浮かんだ汗を拭い取る。
そして、思い思いに水分を補給する。
私も私で感じたことをどうやって言おうか頭の中で整理しておく。
そして、落ち着いたのか望ちゃんが近くにあった椅子を引っ張ってきて隣に座る。
「どうだった?かなで」
弾む息の中。
疲れているが、それさえも楽しむように望ちゃんが言う。