【長編】Little Kiss Magic 3~大人になるとき~
「…まだ、安田さんと決まったわけじゃない。
彼を裏切り者に仕立て上げようとするあなたの策じゃないとどうして言い切れる?」

「お前が安田を信じたい気持ちは解らないでもないが、誰が情報を流したか冷静に考えれば解るはずだ。
彼女を助けたとかいう男は数キロ先から犯人グループを尾行していたと言ったな?
つまり、あの場所で予め待ち伏せしていた訳では無く、彼女を襲うためのタイミングを指示されたと考えるほうが筋が通るんじゃないか?」

紀之さんの言葉にハッとする。

あのタイミングであの場所を教えることの出来る人物。

それは車を運転していた安田さんしかいない。

信じたくは無い。

だが、辻褄が合うのは事実だ。




ドクン…




体中の血が逆流を始めるのを感じた。

もしも、安田さんが春日の者なら、香織の警護を任せた彼の部下も仲間である可能性は高い。

こんなことなら、香織がどんなに拒んでも最後まで傍にいるべきだった。


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