【長編】Little Kiss Magic 3~大人になるとき~
「…それで婚約者がいると香織に教えたのか?」
「ああ。婚約者がいると知ったらお前への気持ちも冷めるか裏切られたと怒り出すと思ったが、彼女はお前を信じ続けた。
だが、こんな形で別れるのなら告げる必要は無かったな。
お前にはガッカリしたよ。夏休み前の威勢はどうした?
お前の本気ってのはこんなにもアッサリと諦められる程度だったのか?」
「くっ…馬鹿にするな!そんなに簡単に嫌いになったりできるはず無いじゃないか!
本気で好きだから諦められなくて苦しいんじゃないか!
本気で人を好きになったことがない紀之さんには解るもんか」
「人を好きになったことがない?
随分と生意気な口を利くな。お前みたいな青臭い恋をしている奴に言われたくないね。
何も知らないクセにお前だけが辛い恋をしていると思うな。
おまえ達のせいで、俺達がどれだけ振り回されたと思う?自分だけが被害者面するな」
紀之さんは僕をギロリと睨むと、怒りを含んだ口調で捲くし立てた。
いつも要領よく物事をこなす彼は何事もおいてもスマートでそつが無い。
人を皮肉る言い方をすることはあっても、人前でこんな風に声を荒げたり感情を露わにしたのは初めてだった。
「僕達のせいで…? どういう意味だ?」
「……元々お前と婚約するのは俺の妹の百合子じゃなかったんだよ」
「え?」
「本来ならお前と婚約するのは、聖の妹の聖良だった筈なんだ」
「ああ。婚約者がいると知ったらお前への気持ちも冷めるか裏切られたと怒り出すと思ったが、彼女はお前を信じ続けた。
だが、こんな形で別れるのなら告げる必要は無かったな。
お前にはガッカリしたよ。夏休み前の威勢はどうした?
お前の本気ってのはこんなにもアッサリと諦められる程度だったのか?」
「くっ…馬鹿にするな!そんなに簡単に嫌いになったりできるはず無いじゃないか!
本気で好きだから諦められなくて苦しいんじゃないか!
本気で人を好きになったことがない紀之さんには解るもんか」
「人を好きになったことがない?
随分と生意気な口を利くな。お前みたいな青臭い恋をしている奴に言われたくないね。
何も知らないクセにお前だけが辛い恋をしていると思うな。
おまえ達のせいで、俺達がどれだけ振り回されたと思う?自分だけが被害者面するな」
紀之さんは僕をギロリと睨むと、怒りを含んだ口調で捲くし立てた。
いつも要領よく物事をこなす彼は何事もおいてもスマートでそつが無い。
人を皮肉る言い方をすることはあっても、人前でこんな風に声を荒げたり感情を露わにしたのは初めてだった。
「僕達のせいで…? どういう意味だ?」
「……元々お前と婚約するのは俺の妹の百合子じゃなかったんだよ」
「え?」
「本来ならお前と婚約するのは、聖の妹の聖良だった筈なんだ」