【長編】Little Kiss Magic 3~大人になるとき~
「廉、お前が俺に協力すれば彼女を護ることができる。…取引しないか?」

「……取引?」

「そうだ。彼女を確実に護る事ができ、お前にとってもメリットがある」

「何をさせようというんです?」

「俺の妹と…百合子と婚約するんだ」

「断る。おじい様の思い通りになるだけだ。僕は絶対に婚約なんてしません」

「待て、話を最後まで聞け。お前は形だけ婚約して、結婚はせず時間を稼いでくれればそれでいいんだ」

「……どういう事です?」

苛立つ僕を横目に、紀之さんは新たなタバコを取り出すと火をつけた。

「俺は百合子を一族結婚の犠牲にしたくないんだ。
あの家から逃がし自由にしてやりたい。
何処かの御曹司と婚約したら破棄することは難しい。
だからお前が婚約をしてズルズル結婚を引き伸ばしてくれればいいんだ。」

「…なっ?」

「時間を稼いで欲しい。お前はまだ高校生だ。
大学を卒業するまでは何とか婚約のままで引っ張れるだろう。
その後も何とか理由をつけて引き伸ばせ。俺の準備が整うまで」

「準備?準備って何のことです?」

「…それはお前が協力を約束してくれないと言えないな。
…俺も命を懸けているんでね」


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