スクランブル・ジャックin渋谷
宮益坂通り
 踊る群衆が、車道や歩道を占領している。

交差点から500メートル離れた通りに、警官隊50名・機動隊51名が徒歩でやってきた。派出所の巡査5名もいる。

群衆の中に、割り込んでくる。群衆は気にすることなく、踊り続けている。

 逮捕されたって、かまわない。気にしない、気にしない。一生涯の思い出だ。それだけ、この「渋谷ブランド」で踊るだけの価値がある。

 巡査たちは、もみくちゃにされている。
 先輩(34)が、ムカついている。

先輩「おいおいおい。何だ、この騒ぎは…」

巡査A「これじゃー、派出所に帰れないぞ」

 巡査B、携帯電話で宏にかける。宏が電話に出たようだ。
巡査B「おい、宏…」

 ブチっと、切られる。
巡査B「チクショウ、切りやがった」
    ○    ○
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