虹になる日がきたら


「美玲は俺のだ」


「だからって物同然に扱っていい訳ないだろ?」


口じゃ適わなくなったと思ったのか、あらチャンはおもむろにポケットから何かを取り出した。



「美玲、車に乗れ」


「!?あらチャンや「うるせえ!」


身体が動かない。


「……力でねじ伏せたって良いことなんて何も無いって事君だって解ってるはずだよ?」








私があらチャンに依存しちゃったんだ…あらチャンをダメにしちゃったんだ…。











「東さん、ありがとう。あらチャン…ごめん…ね」


登校拒否してからの私を気遣ってくれたあらチャンを解放してあげなきゃ



「あらチャン…」



あらチャンの手に握られてた小型ナイフに自分から刺さりにいった私



血に染まる服、震えるあらチャン


「鞍橋さん!?」


結構痛い…。


東さんがケータイを出したから


「警察はダメ!」


残ってる力を振り絞って言った。


「美……玲…」


「ごめ…ん」


そこで意識が途切れた。







目が覚めたらあらチャンは居なくなっていて病院のベットに寝ていた。


あらチャンの代わりに


「初めまして、槙新の父親の藤咲浩輔と言います」


大物政治家が目の前に居た。



「えっ?」



机の上にアタッシュケースが置かれ一言



「手切れ金だ」



……。



「今後一切新に近づかないで頂きます。新にも「お金は要りません。近づきません。だから最後に手紙書いて良いですか?」



今まで見ていたあらチャンの両親は家政婦と家庭教師だったとあらチャンの父親は言った。



「何で名字が違うんですか?」


「愛人の子供だからだ。本妻との間には産まれなくてな。後継ぎが必要だった」



あらチャンが物みたいに…。
同情なのかなんなのか。


「……書き終わりました。お願いします」




「返事はないと思え」



それでも、伝わってくれたらいい。







この件は通り魔の犯行とでっちあげ東さんの所にも隠蔽をお願いしにきたらしい。



手術費は総てあらチャンの親持ちだった。














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