虹になる日がきたら


「心筋梗塞で、倒れて間もなく…
母はハーフでさ、俺の目の色が母の形見かな?
元々不倫して出来た子だから身内には疎まれてて…
なんで俺が跡取りなんだって……
ウチの高原家代々受け継がれてる決まりにも反してるし」


“決まり事”?


「高原家は一家族に子供は一人って…
争わないためにって…でも、親父は姉貴と俺を…
当然先に産まれた子供が跡取りだって皆思ったけれど姉貴も親父もその気はなくて、大変苦労して俺は育ったんだよ(笑)俺の生い立ち」


「跡取りって大変なんだね」


「高原家が普通じゃないからだろ?」


その言葉に美玲は詰まった。


「そんな顔させたくなかったんだけどな」


苦笑いをする一寿


「だから、柊や美玲や太一に会えたんだけどね!」


ぎゅっと抱きしめられた


「一…君?」


「美玲とだったら普通の暮らしが出来るからここで一緒に暮らしていい?」


ふざけているのかと思ったら真面目な顔で更に


「順番超吹っ飛ばしてるけど、結婚前提でお付き合いして下さい」


頭を下げながら言われた。


今までの一寿じゃなく一人の男の人に見えて動悸が…。


「好きって気持ちってこんな息苦しい感じだったのかな?
毎日毎日一君と一緒に居れるって幸せだね…私こそ宜しくお願いします」


返事をしたら瞬時に抱きしめられ、キスの嵐に……。


「柊が昔、“俺の目の黒い内は~”なんて言ってたけど…あの世から呪われそうだな」


それに私は笑った。


「柊兄に祝って貰いたかったなぁ~……あっ!明日は朝一番から大手チェーン店の取締役との商品会議ですよ!歯磨きして寝ましょ?副社長の着替えは朝一に私が取りに行って来ます」


「何で会社モード?雰囲気ぶち壊してるけど?それに、まだ夜の11時だよ!これから2人だけの「スウェットです。足の丈とか腕の丈は気にしないで下さい」


「マジで寝るの!!?」


「寝ましょ?」


上目遣いでお願いするも撃沈。






「眠い…痛い…眠い…眠り」


副社長宅にスーツを取りに来てグチ満載


ベッド脇のクローゼットにいこうとしてふと、ベッドに目がいった。


「!!!!!!!」



そこには黒髪の頭が……。



誰?


「何時~…誰…あんた?」


起きた…ら、全裸だった。


「あらっ?一は?」


一…

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