運命みたいに恋してる。
「一海は子どもの頃から、真っ白な肌が透き通るように綺麗だったよなぁ」


優太郎がうっとりした表情で語っている。……そりゃあ、家に引きこもってばかりで日光に当たらなかったら、色白にもなるよ。


「それに、サラサラのロングヘアーが似合ってたよなぁ」


だから、家に引きこもってばかりで美容院にもめったに行かなかったから、髪が伸び放題だったのよ。


「華奢で、儚げで、すごく可憐だったよなぁ」


食が細くて吐いてばかりだったからよ!


なんだろう。モヤモヤして、イライラする。


ずっと心がザラザラして、すごく刺々しい気分だ。


「病弱で、なにもできないところが、いかにも美少女だったよなぁ」


「だから、それはあたしが……!」


それはあたしが、お姉ちゃんの代わりにぜんぶやってあげていたからだよ。


だからお姉ちゃんは、なにもしないでいられたんだ。


かわいそうなお姉ちゃんのために、あたしが自分を犠牲にして……!


…………。


『かわいそう』? 『犠牲』?


胸の中のモヤモヤした嫌なものが、夕立前の雲みたいにどんどん膨れ上がって、あたしの心の中を薄暗く染めていく。


なんだろう? この、薄気味悪くてたまらない感情は。
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