運命みたいに恋してる。
「七海はチビのくせに、いつも俺たちに歯向かってきたよなあ」


あたしの複雑な心境にまったく気がついてない優太郎が、のんきな顔をして話を振ってきた。


「一海と俺たちの間に立ちはだかって、『お姉ちゃんをイジメるな!』ってさ。まるっきり正義の味方だったよな」


懐かしそうな声で、優太郎が笑った。


そうだよ。あたしは、そんな自分を誇らしく思っていた。


病弱でかわいそうなお姉ちゃん。なにもできないお姉ちゃん。


変わりに、なんでもやってあげているあたし。お姉ちゃんを守ってあげているあたし。


あたしは弱い者を守る正義の味方で、お姉ちゃんは、あたしがいないとなにもできない弱者で……。


「……あ」


あたしは、ようやく自分の心を覆う暗い雲の正体に気づいて、呆然とした。


これは、『優越感』ってやつだ。


あたしはずっとお姉ちゃんに対して、優越感を抱いていたの?
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