おやすみ、先輩。また明日


「仕事だなんて言って、また浮ついたことしてるんじゃないの」


「は? 浮ついたことってなに」


「また噂になってるの知らないの? あなたがよく大人の男と車に乗って帰ってるって」



驚いた。

それは間違いなく編集者の梶原さんのことだと思うけど、気をつけていたはずなのに噂になるくらい周りに見られているとは思ってなかった。



「須賀ちゃん、知ってた?」


「うーん? わたしそういうの疎いからなあ」


「須賀ちゃんは疎いっていうか興味ないんじゃ……」


「それは間違ってない!」



豪快に笑う須賀ちゃんに苦笑いしながら、女子の噂好きと情報のスピードには怖いものがあるなと感じた。

ぶるりと体が震える。



「山中さん。それは編集の人で、全然そういうんじゃないよ」


「どうだか。相手がどういう立場の人でも、いままでの桜沢さんの言動があるからそういう風に見られるんじゃないの」


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